先日「メキシカン・スーツケース」を観てきました。
長い間行方不明だった数々の写真と「思い出」、「内戦の歴史」が奇跡のように繋がり紡がれていくドキュメンタリーです。
初めは違う作品を観る予定だったのですが、映画館のタイムスケジュールを見ていて、ふと目が吸い寄せられたタイトルがありました。それがこの映画です。
公開されたのは、確か去年のこと。
こちらでは上映される気配もなく、TAKUMIZMで紹介されたときにも「劇場鑑賞は無理だろう」とあきらめていたのです。
しかも、今月いっぱいで上映終了。そんなわけで、それこそ奇跡のように出会った作品でした。
ドキュメンタリーには、スペインだけでなく様々な国の街が紹介されるのですが、ある街の名に衝撃を受けました。
それは、消息不明になっている私の知人が暮らしていた街だったのです。
溢れてくる涙をどうすることも出来ませんでした。
きっと、偶然。
たまたま何かが重なっただけなのかも知れない。
それらは次々にやってきて、残像を残したり傷を残したりしていく。
思いがけない贈り物を残していくことも。
それでも。
この映画に出会ったことは、偶然だけではないように思えてならないのです。